鹿児島のお酒を知る

鹿児島のお酒を知る

芋焼酎のイメージが強すぎて知られていませんが、鹿児島ほど多種多様なお酒造りが行われている地域はありません。
奄美群島では黒糖焼酎づくりが盛んですし、近年はウイスキーやスピリッツなどの洋酒、クラフトビールやワインづくりも行われています。
鹿児島のお酒屋さんに行けば、鹿児島のお酒が見つかるかもしれませんね。

芋焼酎

芋焼酎

鹿児島県では奄美群島をのぞく地域で製造されているサツマイモを主原料とした蒸留酒。同じ原料を使っても、産地、水、麹の種類、蒸留方法や貯蔵熟成方法などの違いによって、風味がまったく違うのが芋焼酎の特徴。そのため蔵元や焼酎杜氏の技術や個性が魅力です。
ひと昔前は芋焼酎特有の香りで好き嫌いが分かれると言われてきましたが、近年は製法や麹によって「イモ臭くない」焼酎のほうが多くなり、また低カロリー・糖質ゼロ・プリン体ゼロであることから、ダイエット中の女性や健康的にお酒を楽しみたい方に裾野を広げています。
飲み方もアレンジができ、水割りはもちろん、お湯割りやロック、最近は炭酸水割も若い方に人気があります。

黒糖焼酎

奄美黒糖焼酎

黒糖焼酎はサトウキビから作られる黒糖と米麹を原料とした本格焼酎です。鹿児島県の南海に浮かぶ奄美大島、徳之島、喜界島、沖永良部島、与論島の5島を奄美群島と呼びますが、そこで製造される黒糖焼酎は「奄美黒糖焼酎」と呼ばれ、日本で唯一、鹿児島県の奄美群島だけに製造が認められている焼酎です。
黒糖焼酎は黒糖ならではの甘い風味とすっきりした飲み口が特徴で、比較的飲みやすいと言われており、水割り、お湯割り、ロック、炭酸水割などお好みでお楽しみいただけます。また黒糖原料ですが、低カロリー・糖質ゼロ・プリン体ゼロですので、ダイエット中の女性や健康的にお酒を楽しみたい方に人気があります。

ウィスキー

ウイスキー・スピリッツ

いまや世界を席巻するジャパニーズ・ウイスキー、ジャパニーズ・スピリッツ。洋酒好きから熱い視線を集めているのが実は鹿児島県なのです。鹿児島県の焼酎蔵がその蒸留技術を活かしウイスキー・スピリッツづくりに取り組んでいます。古くは終戦後間もない1949年に本坊酒造が「マルスウイスキー」を誕生させ、2016年には発祥の地南さつま市に本土最南端のウイスキー蒸溜所「マルス津貫蒸溜所」を開設しました。
また1979年には徳之島の奄美黒糖焼酎蔵の高岡醸造が日本初の国産ラム酒「RURIKAKESU」を誕生させ、近年は焼酎をベースとしたクラフトジンにチャレンジする焼酎蔵も増えています。

日本酒

日本酒

焼酎大国鹿児島でも実は日本酒が作られています。灰持酒(あくもちざけ)とも呼ばれる薩摩の伝統酒「地酒」は、鹿児島で唯一残った日本酒と言われています。製法は清酒とほぼ同じですが、もろみを絞る直前に木灰を加えており、そのため清酒と異なり、琥珀色でトロリとしており、独特の甘みがあるのが特徴です。
昔から「晴れ」の酒として大切にされ、正月のお屠蘇、お神酒にも供されますが、酒寿司、豚骨、さつま揚げなど郷土料理の料理酒でも活躍します。

クラフトビール

クラフトビール

1994年の酒税法改正以降に生まれたクラフトビール。クラフトビールは醸造所ごとの製法や地域特産原料へのこだわりなど多様性を楽しめることから、いまやブームから定番へとなりました。鹿児島県内では2022年現在、大小7つのクラフトビール醸造所があり、

  • 県特産品の桜島小みかんやフルーツ、黒糖を使ったクラフトビール
  • 焼酎醸造技術を活かしたクラフトビール

など、個性的な鹿児島クラフトビールを楽しむことができます。
鹿児島のお酒屋さんの中には、地域のクラフトビールを扱うお店もあるので、要チェックです。

ワイン

ワイン

南国鹿児島とワインのイメージは結びつきにくいですが、2021年に本土最南端のワイナリーが鹿児島に誕生しました。鹿児島は実はブドウの名産地。シラス台地の広がる霧島錦江湾国立公園周辺では南国特有の豊富な日照量、火山灰による水はけの良さ、高地特有の寒暖差の大きさ等、美味しいブドウ栽培の条件を満たしており、昔からブドウ栽培が盛んです。
近年、霧島市と錦江町のブドウ農家さんがワイン用のぶどう栽培に着手し、ワイン醸造にも取り組んでいます。