上ノ町商店
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「鹿児島のお酒屋さん巡り」では、県内各地の頑張るお酒屋さんを紹介しております。第2回目は、鹿児島市伊敷五丁目にある【上ノ町商店】さんをご紹介いたします!
鹿児島市天文館方面から国道3号線を走り、鹿児島北インターの入り口を過ぎるとすぐ左手に上ノ町商店が見えてきます。伊敷支所前の信号を左折すると、駐車場の案内板が見えます。
駐車場が空いていない場合は、近隣のコインパーキングに停めてくださいとのこと。車を停めていざお店へ!
お店に入ると、上ノ町商店のみなさんが明るく迎え入れてくださいました。
正確な記録は残っていませんが、創業は今から約130年前。現社長 芳文さんの曽祖父 上ノ町新太郎さんが伊敷の地で開業されました。当時は「商店」と名前にあるとおり、焼酎だけでなく自社で精米したお米や調味料など様々な商品を扱われていたそうです。伊敷地区のご家庭や医療施設などを中心に長年お取引をされてこられました。
4代目社長である芳文さんは、焼酎卸商社での勤務経験もあり、県内各地の焼酎メーカーやお酒屋さんとの繋がりを活かし、これまで長きにわたりお店を支えてこられました。
数年前から息子の祥さんとその奥様の亜維里さんが上ノ町商店の五代目となるべく様々な新しい取り組みを始めていらっしゃいます。
祥さんは、昔から「酒屋の息子に生まれたからには継がねばならぬ」と考えていらっしゃったそうです。一度は東京の大手企業に就職するも、実家である酒屋に関わっていきたいという思いから帰郷し、鹿児島の商社に勤めながら奥様の亜維里さんと一緒に上ノ町商店の新事業に取り組みます。
インターネット通販サイトの開設、SNSアカウント開設(Instagram)、店内ポップ制作、クラフトビールの取り扱いといった取り組みを次々に行ってきました。また、昔の酒屋では当たり前だった焼酎の量り売りをイベントとして復活させるなど、「今の時代に求められる酒屋像」を実現するために日々奮闘されています。
亜維里さんが運営するインスタグラムは、鮮やかな黄色をテーマカラーにし、酒屋の情報だけでなく、ご家族の日常など見る人を楽しませる内容になっています。
また、焼酎好きの男性だけでなく、女性(特に小さなお子さんを持つお母さんなど)も酒屋を楽しめるよう、レモンシロップなど品揃えやポップの書き方など工夫されています。
酒屋のオリジナル商品として、服飾のお仕事をされていた経験を活かし、オリジナルTシャツやパーカーなども制作。酒屋といえば「前掛け」というイメージから、現代版としてアップデートを行なっています。
これらの取り組みが少しずつ効果を生み出しており、「SNSをみて来ました!」というお客様が増えているそうです。ドラッグストアやコンビニが台頭し、人々が酒屋離れが進む中で、こうした取り組みはとても大切だと感じました。
上ノ町商店のみなさんは、これまでの歴史を大切にしつつ、新しい取り組みにも果敢にチャレンジしていく姿勢がとても魅力的で感銘を受けました。酒屋のファンが増えているのも納得。これからもどんな新しいことに取り組まれていくのか非常に楽しみなお店だと感じました。